たからものはどこだ!?

 2016年 夏期公演

登場人物】

レグルス海賊団:町1番の海賊団、精鋭揃い。

・キャプテン:頼れるキャプテン。船長たちのことは面白いやつらだと思っている。ライオン

・ルーヴ:剣を使いこなす、喧嘩っ早い狼

・ラウリー:小太りだが腕利きのメカニック。船の整備を主としながら、暇な時間にはメカを作っている熊

タウロス海賊団:レグルス海賊団に無駄に張り合うやつら。

・船長:バカな船長。牛。

・もみじ:冷静沈着。ツッコミ担当の鹿。

 

シーン0 プロローグ

 ナレーション:時は大海賊時代、ある港町にとても強い、レグルス海賊団と、それを追いかける、タウロス海賊団がいた。

         レグルス海賊団は航海に出ればお宝を見つけ、タウロス海賊団はいつも失敗ばかり。

         そんな港町に、ある噂が流れ始める…。

 

タイトルボード

 

シーン1 レグルス海賊団、出港

 ルーヴ:キャプテン、酒場でとんでもない話を聞いちまいました!

 キャプテン:どうしたんだ?そんなに慌てて

 ルーヴ:実はですね…、この海のどこかの島にすごいお宝が眠っているらしいんです!ここに地図もあります!

 キャプテン:すごいじゃないか!よし、じゃあ早速荷物をまとめて…

 ラウリー:キャプテン〜、大変です〜

 キャプテン:今度はお前か、どうした?

 ラウリー:なんでかわからないけど他の海賊たちがどんどん出発してますよ

 キャプテン:きっと他のやつらにもお宝の場所が伝わったんだ!そいつらに遅れないように、さっさと出発だ!

 子分ども:オー!

 キャプテン:よし、ルーヴは武器を買って来い、ラウリーは船の整備を頼む!俺は食料を買いそろえてくる!

 ルーヴ:よーし、強そうな武器を買ってくるぞ!もしかしたら、敵が出てくるかもしれないし…

 ラウリー:僕だって最高の船にしてやる!あと作ってる途中のメカもあるからそっちも作らないと…

 

シーン2 タウロス海賊団、遅れて出発

 船長:あーあ、今日も暇だなぁ。こんな日には、釣りにでも出かけたいなぁ

 もみじ:船長、他の海賊たちの船がどんどん港を出てますよ?

 船長:なに?みんな仲良く魚釣りにでも出かけてるんじゃないか?俺たちもさっさと釣りの支度をしないと!

 もみじ:そんなわけないじゃないですか…。レグルス海賊団も魚釣りしに行ったとでも言うんですか?

 船長:なんだと!?レグルス海賊団はこの町で1番の海賊団だぞ?なのに魚釣りになんて行くわけないじゃないか!

    誰だ、魚釣りなんてマヌケなこと言い出したのは?

 もみじ:船長じゃないですか…

 船長:…とっとにかく今すぐ船を用意しろ!あいつらのことだ、行く先にはきっとお宝がたっくさんあるはずだ!

    すぐに後を追うぞ!

 もみじ:こんなんで大丈夫なのかな…

 

シーン3 船の上で

 キャプテン:やっぱりこの船のスピードは他のとは桁違いだな。他の船がもう米粒みたいだ

 ラウリー:まぁ僕の手にかかれば、こんな船ぐらい朝飯前ですよ〜

 ルーヴ:なんか後ろから1隻船が追いかけて来るんですけど…

 キャプテン:ああ、どうせいつものあいつらだろ、ほっとけ

 ルーヴ:あ!キャプテン、前に島が見えてきましたよ!

 キャプテン:きっとあの島だ!早速上陸しよう!

 

シーン3.5 船の上で(船長サイド)

 

 船長:おい!あいつらあそこの島に上陸したぞ!きっとあそこにお宝が眠っているんだ!俺たちもすぐ上陸だ!

 もみじ:船長って船に乗ってるときはかっこいいんだけどな…

 

シーン4 第一の島

 ルーヴ:本当にこの島なんですかねぇ、どこまでジャングルが続くんでしょう

 ラウリー:はぁ…はぁ…宝物はまだですか?もうヘトヘトですよ〜

 キャプテン:地図には間違いなくこの島のどこかだと書いてあった、もうちょっと探そう

 ルーヴ:キャプテン、あそこに宝箱が!

 キャプテン:本当か?

 ラウリー:やったあ!

(ルーヴが宝箱を持ってくる)

 キャプテン:でかしたぞ!

 ルーヴ:早速開けてみましょう!

 キャプテン:おいちょっと、何か罠が仕掛けられているかもしれないから…

 ラウリー:すみませ〜ん、もう開けちゃいました〜

(カチッという音とともにトラップが起動)

 キャプテン:何やってるんだよ…で、箱の中には何が?

 ラウリー:地図です〜。別の島が書かれてますよ〜

 ルーヴ:…ところで今、何かが動いたような音がなりませんでした?

 キャプテン:気のせいだろ。とにかくすぐそこに向かおう!

 ラウリー:え〜、もう疲れちゃいました〜、休んでいきましょうよ〜、あっちょっと待って〜

 ルーヴ:なにかゴロゴロ音が聞こえる気がするんだけど…まぁいっか

 

シーン4.5 第一の島(after)

 船長:ここだな、あいつらが向かった島は!さっさとお宝を横取りするぞ!

(ゴロゴロと岩が転がる音)

 もみじ:あいつらがまだこの島にいたらいいんですけどね…。それにしても、なんかゴロゴロと音がなってませんか?

 船長:こんな音がなるジャングルもあるんだよ、早いところあいつらを探すぞ!

 もみじ:…いかにもこれから何かありそうなんですけど。

 船長:きっ気のせい気のせい!とっととあいつらを…

 もみじ:大きな岩が転がってきましたけど…

 船長:お前はなんでそんなに落ち着いてられるんだ!さっさと逃げるぞ!

 

シーン5 第二の島へ

 キャプテン:まさか宝箱から地図が出てくるなんてな…

 ラウリー:誰なんですかねぇ、こんな面倒くさいことを考えたのは

 ルーヴ:あっ!キャプテン、あの島じゃないですか?

 キャプテン:きっとあれだな!よし、上陸するぞ!今度こそお宝だ!

 

シーン5.5 第二の島へ(船長サイド)

 

 船長:酷い目にあった…。それで、やつらの船は?

 もみじ:ギリギリ見えますね…

 船長:見える限りは追い続けるだけだ!よし、全速力だ!

 もみじ:やっぱり船乗ってる時だけはカッコいいんだけどなぁ…

 

シーン6 第二の島

 キャプテン:地図に書いてあったのはこの島だな

 ルーヴ:あっ、それっぽい箱がありますよ!

 キャプテン:前回は開けても何も起きなかったし、今回も大丈夫だろう、ラウリー、さっさと開けちまえ。

 ラウリー:言われなくても開けてますよ〜

 キャプテン:それもどうかと思うがな…。中身は…また地図か

 ルーヴ:また違う島ですよ、早く向かいましょう

 キャプテン:ちょっと待て、なんかドシドシ音が聞こえないか?

(ドシドシ音)

 ラウリー:そんなのどうだっていいじゃないですか〜、新作メカの調整もしたいし、船の整備もしないと…

 トロール:がおー

 全員:うわぁ!

 キャプテン:なんだこいつは!

 ラウリー:きっとおいらたちがお宝を取ったから怒ったんですよ〜!

 ルーヴ:キャプテン、ここは俺に任せて!ラウリーも船の整備を早く!

 キャプテン:…悪い、先に行かせてもらう!早く戻ってくるんだぞ!

 ラウリー:ありがとね〜

 ルーヴ:さて…出発前に剣も新しくしたし、俺の強さ、見せつけてやるぜ!

(剣が弾かれる)

 ルーヴ:ちっ、もう一回!

 ルーヴ:よし、今だ!必殺、満月斬り!

 トロール:がおー

 ルーヴ:俺の強さ、思い知ったか!さて、宝物を持って…あ!!宝箱が無い!

 

シーン7 作戦成功(?)

 船長:よーし、レグルスの宝箱を奪ってやったぞ!中身は…と、えっ?ただの地図?

 もみじ:これじゃあせっかく奪ってもあいつらを追いかけてるのと何も変わんないですね…

 船長:まぁあいつらは宝箱が無くて焦っているさ!日も暮れてきたし、さっさと宝箱を見つけちまうぞ!

 

シーン7.5 作戦成功(?)(キャプテンサイド)

 ルーヴ:すみません、俺がもっとしっかりしてれば…

 キャプテン:いや、でもタウロスが地図を持ってるんなら、あの船についていけばいいだけだから大丈夫だ。

       それより、さっきの戦いでの疲れは大丈夫か?

 ルーヴ:はい!全然問題ないです!

 ラウリー:僕はちょっと疲れましたよ~

 キャプテン:お前はもう少し痩せたらどうなんだ…?

 

シーン8 決戦

 船長:よーし、ここの島だな!宝箱はっと…あ、あった。

 もみじ:普通に置いてありましたね…

 船長:早速中身を見て見ようじゃないか…オープn…

 レグルス海賊団:待て!

 キャプテン:その宝箱は俺たちのものだ!おとなしく渡してもらおうか!

 船長:これは俺たちが見つけたんだ!だから俺たちのものだ!

 キャプテン:だがお前が見つける時に使った地図は俺たちが見つけたものだ!

 船長:そんなこと知るか!俺たちのものだ!

 キャプテン:やっぱりやっつけるしかないのか…おい、そこまで言うなら俺と決闘で勝負をつけないか?

 船長:望むところだ!

(しばらくやりあう)

 キャプテン:…なかなかしぶといな。

 船長:お前こそ…。だが次の一発で決める!いっくぞ!

 キャプテン:おい、ちょっと…。なんか鳴き声聞こえなかったか・・・?

 ルーヴ:もしかして、またこのパターンですか?

 ドラゴン:ギャース!

 もみじ以外:うわあ!

 もみじ:予想通りの展開ですね…

 キャプテン:よし、とりあえず一時休戦だ!まずはこいつを倒すぞ!

 レグルスの子分:はい!

 船長:俺たちも行くぞ!

 もみじ:はい!…と言いたいところなんですけど、実は武術はさっぱりで…

 船長:そういえばそうだったな…なら仕方ない、安全なところにいるんだ!

 もみじ:すみません…

 ルーヴ:よし!まずは俺からだ!満月斬り!…ちっ、あんまり効いてない!

 船長:次は俺だ!うおおお!…うわ!

 もみじ:やっぱり船長って弱いんですね…

 キャプテン:俺が決める!ジュー・オー・ムジン!

 ラウリー:キャプテンの攻撃もそこまで効いてない…。よしこうなったら、キャプテ~ン、僕のメカを使って下さ~い!

 船長:なんだ?そのタルは

 ラウリー:なづけて『黒ひげ大砲』!穴に剣を刺せば人を飛ばせるんです~!

 キャプテン:よし、それを使おう!問題はだれが飛ぶかだが…あっ、おい、このマントは何色だ?

 船長:それは…赤!モォォォォ!…あれ?

 もみじ:きれいに大砲の中に入りましたね…

 キャプテン:飛んでいったらその勢いであのドラゴンを剣で切るんだ!わかったな?

 船長:なんだかよくわからないがわかった!あいつを切ればいいんだな?

 キャプテン:そういうことだ!よし、行くぞ!発射!

 船長:うおおおおおお!

 ドラゴン:ギャース!

 ルーヴ:やった!倒したぞ!

 もみじ:あの船長が、ドラゴンを倒すなんて…

 

シーン9 宝物とは

 キャプテン:さて、邪魔者は片付いたし、こんなに暗くなっちまったが、宝箱を開けよう。

        ほら、一緒に倒したんだし、タウロスにも半分やるよ。

 船長:本当か?そいつはありがたい!

 ルーヴ:ん?紙が入ってますよ?どれどれ…?上を見ろ、ですって

 キャプテン:上か…。…あ!流れ星だ!

 ラウリー:しかも大きくて、数も多い〜!

 船長:もしかして、宝石じゃなくて、こんなのが宝物なのか?

 キャプテン:でも体験したことってのは、いつまでも記憶の中に残り続けて、決して無くなることはないだろ?

        そう考えれば、これも素晴らしい宝物なんじゃないか

 もみじ:そうですね…、じゃあこの冒険でできた楽しい思い出も、立派な宝物なのかも…」

 ラウリー:君たちとも一緒に戦えたしね~

 ルーヴ:それならキャプテン、これからもたくさん冒険して、楽しい思い出をいっぱい作っていきましょうね!

 キャプテン:もちろんだ。さて、そうと決まれば時間はない!すぐ港に戻って、次の冒険の準備をするぞ!

 レグルスの子分:オー!

 船長:よーし、俺たちも、レグルスに負けないように、すぐ次の冒険に出よう!

 もみじ:…はい!船長、お疲れ様でした。今日は、かっこよかったですよ

 船長:本当か!?なんか、照れるなあ

 

おしまい