ソラと魔法のスパイス

2012年 秋期公演

 

設定資料

ソラ:主人公。お母さんの作る料理が大好きな食いしん坊。心優しい子。小学校三年生。

おかあさん:ソラのおかあさん。料理上手。

ぴょんすけ:破天荒なうさぎ。けんかっぱやいところもあるけど、いいやつ。

かめきち:後輩キャラのカメ。ぴょんすけのことを崇拝している。

ゴン・ギッツーネ:いたずら好きの化けギツネ。ぴょんすけとかめきちと仲良くしたくていたずらばかりするが、

          いつも裏目に出る。ギッツーネはイタリア語っぽく発音する。

ウルトラサウルス:ゴンが魔法で呼び寄せた恐竜。ゴン命名。実は低姿勢。

 

●小道具

・スパイス

・おにぎり

・ゴンの盗んだ食べ物

・魔法のけむり

・タイトルボード/エンドボード

 

●シーン1(家)

 おかあさん舞台端。ソラ走って入る。

ソラ:おかあさん、ただいまー!今日の夜ご飯は何?

おかあさん:ソラ!おかえり。今日のご飯は、ソラの大好きなカレーライスよ。

ソラ:うわーい、やったー!!

おかあさん:そうだ、ソラ、ちょうどよかったわ。カレーに必要なスパイスが足りなくなっちゃったの。

       出かけて、探してきてくれないかしら。

ソラ:スパイス?それってなに?

おかあさん:スパイスはね、料理に入れるとすっごくおいしくなる、魔法の調味料よ!

ソラ:魔法の調味料!?うわあ、すごいや!!おかあさん、ぼく、探してくるよ!!いってきまーす!!

 ソラ、走って退出。

おかあさん:うふふ、あの子ったら元気な食いしん坊さんね。さて、準備準備っと…

 おかあさん退出。タイトルボード。

 

●シーン2(道)

 舞台端から楽しそうにソラ登場。

ソラ:カレーをおいしくする魔法のスパイスか。聞いただけでおなかが空いてきたぞ!

   早く探して、おかあさんに届けよう。…でも、どこにあるのかな?魔法のスパイス…

   ん?向こうから何か来るぞ。何だろう?

 ぴょんすけ・かめきち登場。ぴょんすけよろよろ。

ぴょんすけ:かめきち、おいら腹減った…もう動けねー…

かめきち:がんばりましょう、ぴょんすけ先輩。確か、もうすぐそこににんじん畑があったはずですから!

ぴょんすけ:にんじん畑……行きたいけど…無理だ!おいら降参―!!!

 ぴょんすけ倒れる。ばたばたする。

かめきち:ぴょんすけ先輩!!

ソラ:こんにちは、かめさん、うさぎさん。どうかしたの?

かめきち:あ、人間さん。こんにちは。…実はぼくら、今日は何にも食べていなくて、とてもお腹が空いているんです…。

ぴょんすけ:もう…すっかすかさー…

ソラ:何にも食べてないの!?それはかわいそうに。…そうだ!

   ぼく、今日のお昼のお弁当のおにぎり、おなかが空いた時のために残しておいたんだった。これ、あげるよ!!

ぴょんすけ:え!?ホント!?やったー!!

かめきち:ありがとうございます!!

 ソラおにぎりを渡す。かめきち・ぴょんすけ、二匹で食べる。

ぴょんすけ:うーん、おいしかったぞー!おいらこんなにおいしいおにぎり初めて食べた!

かめきち:助かりました、人間さん。そうだ、お名前を教えてくれませんか?

ソラ:ぼく、ソラっていうんだ!よろしくね。

かめきち:よろしくおねがいします、ソラさん!ぼくはかめきちといいます。

ぴょんすけ:おいらはぴょんすけだぞ!よろしく!

ソラ:うん、よろしく!

ぴょんすけ:あ、そうだ!お礼をしよう。何か困ってることはないか?おいらたちがなんでもお手伝いするぞ。

かめきち:はい!ソラさん、なんでも言ってください!

ソラ:本当!?うれしいな。…それじゃあ、実はぼく、おかあさんに言われて魔法のスパイスっていうものを探してるんだけど、

   どこにあるのかわからなくて、困ってたんだ。何か知らない?

 かめきち・ぴょんすけ、ざわつく。(えー!!とか)

かめきち:ま、魔法のスパイスですか!?

ソラ:知ってるの!?

かめきち:はい。魔法のスパイスって言ったら、化けギツネのゴンさんの宝物です。

      あれが欲しいんだったらゴンさんに会わないといけないけど、すぐに渡してくれるかどうか…。

ソラ:そのひとに会えばいいんだね。で、化けギツネのゴンって誰?

ぴょんすけ:いたずら者のキツネのことさ。いつもおいらたちにちょっかい出してくるんだ。

       魔法を使えるからっていい気になって、今日なんか、おいらたちの食べ物を盗んだんだぞ!?

       だからおいらたち、おなかすかせちまったんだ…。

ソラ:それは困ったやつだね。…わかった。ぼく、そいつに会ってもういたずらはやめるように説得してみる。

   それからスパイスをもらうよ!

かめきち:ソラさん…!本当にありがとうございます!

ぴょんすけ:ソラありがとう!おいらたちももちろん協力するよ。

       ただ、やつは魔法が使えるから、気をつけないとならないぞ…。

ソラ:わかった!よし!そうと決まったらさっそく出発だー!!

 ソラ走って退出。

ぴょんすけ:あーこら、おいらの話を聞けーい!

 ぴょんすけも走って退出。

かめきち:ふ、二人とも、待ってください!!

 かめきちゆっくり退出。暗転。

 

●シーン3(森)

 ゴン、舞台中央。

ゴン:しっしっし!今日はあいつらから盗んだ食材がこーんなにある。これに魔法をかけて、野菜スープを作ろう!

   それから、野菜ハンバーグだろ、それから、それから……

 ゴン、スパイスを取り出す。

ゴン:この特製魔法スパイスで、野菜カレーを作るんだ!しーしっしっしっし、楽しみだなあ!

 ソラ、走って登場。

ソラ:おーい、きみが化けギツネのゴンくんか!?

ゴン:ん!?誰だお前。確かにオレはゴン。化けギツネのゴン・ギッツーネだぜ!!!

 ゴン、決めポーズ。

ソラ:……。ゴンくん!ぼくはソラ。ぴょんすけとかめきちの友達さ。聞いたよ、いつも悪さをしているんだろ。

   お友達を困らしちゃ、ダメだよ。

ゴン:えー、なんだよ、説教しにきたのかよ。オレ、別に困らしてないよ。遊んでるだけだよ!しっしっし。

ソラ:ううん。あのふたりは遊んでるとは思ってないよ、嫌がってるんだ。

ゴン:え?嫌がってるのか?

ソラ:そうだよ。だからそれよりもみんなが楽しめる遊びをしたらいいよ!鬼ごっことか。

ゴン:ふーん。そうかあ、嫌がってたのか。

ぴょんすけ・かめきち:ソラー!!!

 ぴょんすけ・かめきち登場。

ゴン:おっ、なんだなんだ!?!?

ぴょんすけ:ソラ、やっと追いついた。大丈夫か!?何もされてないか!?

ソラ:うん、ぜんぜん平気だよ。

ゴン:おーい!なんだよお前ら!オレのことを、悪者みたいに!!

ぴょんすけ:だってそうだろ!

ゴン:なんだってー!?むっかー!!

かめきち:ケ、ケンカするのはよくないと思いますよ。話し合って解決しましょうよ…。

      あ、ソラさん!あれ!あれが、魔法のスパイスですよ!!

ソラ:あれか!

ゴン:…にやり。さては、ソラ。オレのスパイスがほしいのか?

ソラ:そうなんだ。ゴンくん、それ、ちょっとだけでいいから、分けてくれないかな。おかあさんがカレーに入れたいっていうんだ。

ゴン:ふーーーん。……でもそんなのオレには関係ないから、嫌だね!しっしっし!

ソラ:え!困ったなあ…。

かめきち:あー、ゴンさんがああ言い出したら、もう分けてくれないかも…。

ぴょんすけ:あいつほんとにむかつくやつだな!ソラ、ちょっと待ってろ!

かめきち:ぴょんすけ先輩…?

 ぴょんすけ、ゴンの方に歩く。

ぴょんすけ:あ!UFOだ!!!

ゴン:え、どこどこ!?

 ゴンきょろきょろ。ぴょんすけその隙にスパイスを奪う。

ぴょんすけ:やーいひっかかったひっかかった!!!スパイスもらってくぜ!ソラ、かめきち、行くぞ!

 ぴょんきち走って退出。

ソラ:あ、こら!ぴょんすけー!

かめきち:ちょっと待ってくださいよー!!

 ソラ・かめきち退出。

ゴン:わー!!オレのスパイス返せ!!!返せよー!!……ドロボー!!!

 ゴンそのままで暗転。

●シーン4(草原)

 ぴょんすけ、ソラ、かめきちの順で走って入る。

ぴょんすけ:ここまでくればもう大丈夫だ。やったぜソラ!スパイス手に入れたぞ!ほらっ。

 ぴょんすけ、ソラにスパイスを投げる。

ソラ:うん…。

ぴょんすけ:あれ?元気ないな。どうしたんだ?

かめきち:…ぴょんすけ先輩。失礼ですが…あれはゴンさんがかわいそうだったかもしれません。

ぴょんすけ:え?なんで?だって、先にいじわるしたのはあっちだぞ?

かめきち:そうですけど!!!でも、だからといってまたいじわるのし返しをしたら、ダメだと思います…。

      そしたら、世界中のみんながいじわるになってしまいます…。

ぴょんすけ:そ、そっかあ。かめきち、いいこというなあ。

かめきち:え!?そうですかね~…やったー!!!!!(全力で喜ぶ)

ソラ:…ねえ、みんなでゴンに謝りに行こうよ!仲直りしよう。

   それからもう一回スパイスを分けてもらえるように頼めば、わかってくれるかもしれない。

   ゴンはすぐいたずらするし、頭にくること言うけど、本当はそんなに悪いやつじゃないと思うよ。きっと大丈夫だよ!

かめきち:はい、ぼくも賛成です!!ぴょんすけ先輩、どうですか…?

ぴょんすけ:…そうだな。おいら、あいつに悪いことしちゃった。仲直りしに行く!!

ソラ:よーし、それじゃあ、ゴンを探そう!!

ぴょんすけ・かめきち:おー!!

 そのまま暗転。

 

●シーン5(森)

 ゴン舞台中央。うろうろ。

ゴン:あーあ、オレのスパイス、盗まれちゃった。…まあ、オレも、食べ物盗んだけど…。

   でも、だまして盗むなんて、ひどいやつらだ!ぜーったいこらしめてやるぞ!!

   …何かとっても怖いものを魔法で呼び出して、びっくりさせてやりたいな…。

   そうだ!大きくて強い恐竜にしよう!それなら、ものすごーくびっくりするはずだぜ。

   しっしっし。ちちんぷいぷい、出でよ、ウルトラサウルスー!!

 魔法の効果音。ウルトラサウルス登場。

ウルトラサウルス:……。(無言)

ゴン:ウルトラサウルス!!オレ、お前に驚かしてもらいたいやつがいるんだ。

ウルトラサウルス:……………。

ゴン:そいつらはぴょんすけとかめきちとソラっていって…。おい、なんか言えよ!聞いてるか?

ウルトラサウルス:ぐううううう。(寝ている。)

ゴン:あれー、寝てやがる!!冬だから、冬眠してるのか!?

   あーもう!起きろ起きろ起きろ起きろー!!!

 ゴン、ウルトラサウルスに体当たり。ウルトラサウルス、起きる。

ウルトラサウルス:……がおーーーーー!!!眠りを妨げるうっとうしいやつだな!!俺は怒ったぞ!!!!

ゴン:あ、あれ?な、なんかこれ、マズいかも。…おおおオレじゃなくて、こらしめてほしいのは、別のやつら…

ウルトラサウルス:ごちゃごちゃうるさい!!!ちょうど腹が減っていたところだ。お前を食べてやる~!!

ゴン:うわああああああっ!助けてええええええ!!

 ゴン、走って退出。ウルトラサウルス、追いかける。

 

●シーン6(草原)

 ぴょんすけ・かめきち・ソラ、舞台端。

かめきち:あれー、ここにもいませんね。ゴンさん、どこいっちゃったんでしょうか?

ぴょんすけ:あいつ、ショック受けて寝込んじまったとか!?

ソラ:大丈夫だよ!もう少し探せばきっと見つかるよ。……ん?なにかの声がする。

かめきち:え?聞こえませんよ。

ソラ:いや、聞こえるよ!近づいてくる…。あっ!

ゴン:うわあああああああああ!!

 ゴン走って登場。

ぴょんすけ:ゴン!!そんなにあわてて、どうかしたのか!?

ゴン:おおおお前ら!本当にごめん!!!オレ、お前らを驚かそうと思って、それでな…

ウルトラサウルス:見つけたぞ、いたづらギツネー!!!!!!!

 ウルトラサウルス登場。

ぴょんすけ・かめきち・ソラ:うわーーーー!!!!

ゴン:恐竜を呼び出しちまったんだ…。

ウルトラサウルス:ん?小さいのがたくさんいるな。ちょうどいい、俺はとてつもなく腹が減っているんだ。全員食ってやる!!

かめきち:ひいーっ、怖いですー!どうしましょうぴょんすけ先輩~!!

ソラ:ゴン、こいつ、君の魔法で呼び出したんだろ!?魔法で元の世界に帰ってもらうことはできないの!?

ゴン:で、できない…オレの魔法は呼び出し専門なんだ。

かめきち:そんなあー!!!このままじゃみんな食べられちゃいますよ!!!

ウルトラサウルス:ごちゃごちゃとうるさいチビどもだ!!!すぐに黙らせてやるぞ。

           よし、まずはさっきの無礼者からいただくとしようか…!!

ぴょんすけ:ゴン、あぶない!!!

 ぴょんすけ、ゴンを突き飛ばす。ぴょんすけ、ウルトラサウルスに吹っ飛ばされる。同時にスパイスが吹っ飛ぶ。

ぴょんすけ:うわあーーー!!

ゴン:ぴょんすけー!!!

かめきち:ぴょんすけ先輩!!!!…くしゅん!

ソラ:ぴょんすけ、大丈夫!?…へ、へくしゅん!!

ぴょんすけ:うーん。……なんとか。へーーーっくしゅん!!!あれ?なんでくしゃみがでるんだろう。

ウルトラサウルス:ちっ、よけられたか。だが今度は逃げられないぞ!!がおーー!!

かめきち:このトカゲ野郎、ぴょんすけ先輩をよくも!!!!

 かめきち、向かってくるウルトラサウルスに突撃。

 ウルトラサウルス、かめきちの甲羅に跳ね返される。

ウルトラサウルス:ふがっ!?固―っ!!

 ウルトラサウルス痛がる。

かめきち:カメの甲羅は固いんです。簡単には食べられませんよ!…はっくしょん!

ぴょんすけ:かめきち、よくがんばった!!ありがとう!!

かめきち:え!?ぴょんすけ先輩にまた褒められた!やった~!

ゴン:うーん、それにしても、どうしてこんなにくしゃみが出るんだろう。

ソラ:…わかったぞ!!さっきぴょんすけが襲われたときに、みんながこのスパイスを吸いこんじゃったから、

   くしゃみが止まらなくなったんだよ!

 ソラ、スパイスを拾う。

ソラ:そうだ!いいことを思いついた!!これをあいつに丸のみさせるんだ。

   そしたらあいつもくしゃみが止まらなくなって、動けなくなっちゃうんじゃないかな!?

ゴン:なるほど…。

ソラ:ゴン、君のスパイスだけど…そんなふうに使ってもいい?

ゴン:もちろんさ。オレもその作戦に賛成だ。あいつを止めるにはそれしかなさそうだからな!!

かめきち:でも、ソラさん、そんなことしたら、お母さんにスパイスが渡せませんよ?

ソラ:そうだね…。でも、いいんだ。今使うしかないから!!

ウルトラサウルス:がおーーーーー!!!もう俺は本気の本気で怒ったぞ。順番に食おうと思ったが、我慢の限界だ!!!

                全員一気に食ってやるーー!!!

 ウルトラサウルス、走ってくる。

ゴン・ぴょんすけ・かめきち:ソラ、いまだ!!!

ソラ:えーーーーい!!!

 ソラ、ウルトラサウルスに向かって走り、ジャンプ。口のなかにスパイスを投げる。

ウルトラサウルス:…ごっくん。ん?…なんだこれ。

 ウルトラサウルス、だんだんぶるぶる震えだす。

ウルトラサウルス:…くしゅん。はっくしゅん。はあああああああああっくしゅん!!!!お前らなにしやがった!

           ちっくしょー、覚えていやがれ!はああああああああああああああっくしゅーーーーーーーん!!!!!!

 自分のくしゃみで吹っ飛んで消える。

ソラ・ぴょんすけ・かめきち・ゴン:やった――――!!!

かめきち:ソラさん、すごくかっこよかったですよ!

ぴょんすけ:うさぎのおいらもびっくりするジャンプだったぜ。

ソラ:みんなのおかげだよ。ありがとう!…ゴン?どうかした?

ゴン:……お前ら、ごめんな、あんなの呼び出して。今までいたずらしてたのも、ぜんぶぜんぶ謝るよ。

   本当は、みんなと仲良くなりたかっただけだったんだ。

ぴょんすけ:ゴン、いいんだよ。おいらのほうこそ悪かった。ゴンの大切なスパイス盗んじゃったから…。

ゴン:大丈夫大丈夫。ぜんぜん気にしなくていいぞ!!!

 ごんとぴょんすけ、握手。

かめきち:あーよかったです!これでぼくらもう友達。仲良しですね!!!

ソラ:本当によかった。…あ!!もう日が沈んじゃうや。お母さん、なんていうかなあ…。

ぴょんすけ:ソラの家まで、おいらたちも行くよ。ソラが怒られるようなら、おいらたちが守る!

 ゴン・かめきち、口々に「うん!!行く!!守る!!」

ソラ:みんな…。ありがとう!じゃあ、いっしょに帰ろう!!

 全員、退出。

 

●シーン7(家)

 お母さん、舞台端でうろうろ。

ソラ:た、ただいまー…。

 ソラと動物たちそろそろと登場。

お母さん:ソラ!!!遅かったじゃない!!とっても心配したのよ!!!

ソラ:あわわわ!ごめんなさい!

ぴょんすけ・かめきち・ゴン:ソラは悪くないんです!!おいらたちが悪いんです!!

お母さん:あら?この子たちは・・・?

ソラ:ぼくの友達だよ。魔法のスパイスを探してるうちに、仲良しになったんだ。

   あのね、お母さん、ぼく、魔法のスパイス見つけたんだけど、恐竜を倒すために使っちゃって、

   結局持って帰ってこれなかったの…。

 どうぶつたち、わちゃわちゃ謝る。

お母さん:魔法のスパイス?恐竜?…あらあら、なんだか、大冒険をしてきたみたいねえ。

      うふふ、わかったわ。そういうことなら仕方ない。今日は許してあげる。

ソラ:本当?怒ってない?

お母さん:ええ。怒ってないわよ。ねえ、どうぶつさんたちも、一緒にご飯食べないかしら?

      みんなで食べれば、スパイスがなくても、とってもおいしいカレーになるのよ!!

ぴょんすけ:え!?いいの!?

ソラ:それ最高だよ!みんな、一緒に食べよう!!

ぴょんすけ・かめきち・ゴン:わーーーーい!やったーーー!

ウルトラサウルス:あ、あの~…。

 ウルトラサウルス顔だけ登場。

お母さん:あら、恐竜。

ソラ:うわっ!!恐竜!!

ゴン:ウルトラサウルス!!何しに来た!?

かめきち:まさかまたぼくらを食べに…!?

ウルトラサウルス:違いますよ。さっきはほんとすみませんでした。

           寝起きだったし、お腹空きすぎてどうかしちゃったみたいで。…実は、ぼくもカレー食べたいんですけど。

ぴょんすけ:えー、恐竜がカレー食べるのか!?

ソラ:あはは!そっか。じゃ、恐竜さんも、一緒に食べよう!大勢の方がおいしいんだよね、お母さん。

お母さん:ええ、もちろん。食べていってください。

ウルトラサウルス:ありがとうございます!!

お母さん:そうと決まったら、みなさん、お部屋の中にどうぞ。

 動物たち、騒ぎながら退出。恐竜も退出。

ソラ:お母さん、ありがとね!!!

 ソラ、続いて退出。

おかあさん:うふふふふ。スパイスはスーパーで買ってきてくれればよかったのに。まったく、あの子ったら。

 お母さん退出。エンドボード。